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三世供養

前世(きのう)に感謝して現世(きょう)と来世(あした)を幸せに生きる前世って何? 三世(さんぜ)って何?

前世って何? 三世(さんぜ)って何?

昨今、さまざまなメディアで「前世(ぜんせ)」という言葉を見聞きします。ほとんどの場合、占いによって自分の「前世」を知らされて一喜一憂する程度の話なのですが、そもそも「前世」とは一体どんなものなのでしょうか。

佛教において「前世」とは、「前世(過去世)」「現世(現在世、今世)」「来世(未来世)」からなる「三世(さんぜ)」のうちのひとつで「生まれる前に送った一生」であるとされており、お釈迦様自身やお釈迦様にゆかりのあった人々の「前世」や「来世」について、お釈迦様自身が語られた説話が古い聖典に数多く遺されています。

また、佛教では「六道(りくどう)」といって、私たちの命は「天」「人」「修羅(しゅら)」「畜生」「餓鬼」「地獄」の六つの「世界」を生まれ変わり続け「輪廻転生(りんねてんしょう)」するとされています。

佛教とは、本来、「智慧(ちえ)」により、この「輪廻転生」から「解脱(げだつ)」することを目的とした教えであり、この「輪廻転生」から解き放たれた静寂の「世界」は「涅槃(ねはん)」と呼ばれる「悟り」の境地であるとされています。この「悟り」を得た覚者こそが「如来(にょらい=佛陀=ブッダ)」なのですが、「悟り」を得た後も衆生救済のため、あえて「人」の世に留まり生まれ変わり続ける者を「阿羅漢(あらかん)」といいます。そして、この「智慧」をよく学び「悟り」への道を歩み、他者をも導こうとする者が「菩薩(ぼさつ)」と呼ばれるのです。

多くの「世界」があり、多くの命がある中で、「人」として生を受けることができる確率というのは「恒河沙(こうがしゃ=ガンジス河の砂=数えきれないほどの大数=10の52乗、または56乗をあらわす数の単位でもある)の中の一握りの砂の数」と同じようなものだとされています。

「人」は、なかなか覚者の境地に至ることはできません。しかし、御佛(みほとけ)の教えを学び、守り、正しく生きよう、自分や自分の周りのものたちの幸せを祈ろうと思った時、「人」は「菩薩」となることができるのです。

私たちが「現世(いま)」、「人」として生を受けていること、そして「菩薩」の道を歩むことができるということは、とてつもない確率の大変有り難いことなのです。

あなたは憶えていないだけ。誰もが持っている「三世因果(さんぜいんが)」

私たちが存在している「世(世界)」とは、佛教では「還流(かんりゅう)」のことであるとしています。

「還流」とは、液体が常に沸騰と凝縮(ぎょうしゅく)を繰り返している状態のことで、万物は常に形を変えながら生まれ変わっています。「還流」の中で万物は一瞬の間も同じ形にとどまらず、生じ終わると直ちに滅するとされています。

事実、私たちが昨日と同じだと思っている自らの肉体にしても、肉体や臓器を構成している細胞は常に変化や入れ替わりを続けており、昨日と同じものではないのです。
そして「前世」「現世」「来世」という「三世」の区分も、佛教では移ろい行く現象や存在の中での刹那(せつな=瞬間)的な仮の分類に過ぎないとしています。

「私は今まで何も悪いことをしていないのに…」と嘆く人がいます。
しかし「三世」の過程の様々な環境や作用により、反応や変化の仕方には差が生じるのです。

ものごとには、すべて原因と結果があるように「三世因果(さんぜいんが)」といって私たちの命は「前世」の行いや生き方により「現世」が定められ「現世」の行いや生き方により「来世」がおのずから定まっていくのです。

世=還流

万物は常に環境や作用の影響を受け形を変えながら生まれ変わっている。
雲の前世は蒸気、蒸気の前世は海、海の前世は雨、雨の前世は雲…。
三世はあくまで時間上の仮の分類。

「現世(いま)」こそ、運気を改善増強し、より良い「来世(あした)」のために。

私たちが今日を生きているのは、昨日までを生き通せたからにほかなりません。そして、今日もあなたが気づかないところで、あなたを支えてくれた命や、あなたが迷惑をかけた命が存在しているはずなのです。

今日ある命が、昨日までを生き通せた「おかげ」ならば、昨日までの自分自身を含め、それまでにお世話になったすべての命(=衆生)、御先祖様、そして神佛に感謝や懺悔を捧げることができるのは今日しかないはずです。そして、このような気持ちを行動にあらわすことができるのも、「人」として生を受けることができた「現世」しかないのです。

「三世供養」とは、この尊い「現世」をより幸せに生きるために「現世」のあなた自身のお名前(=心=菩提)で三本の塔婆を立て、「前世」への感謝と懺悔、そして「来世」への祈りを捧げることで、あなたを支えている神佛やあなたにゆかりのあるすべての命、さらにはあなた自身の命を供養し、運気を改善増強する塔婆修法です。

「三世供養」を行う日は、すべての命に感謝するお彼岸、ご自身の誕生日や誕生月、ご先祖様のご命日やお盆などが良い機会なのは申し上げるまでもありませんが、何か新しいことを始める時、なぜか思い通りにことが進まないと思った時など、どんな時でも結構です。思い立ったが吉日と申します。是非とも「三世供養」により、幸せな「来世(あした)」のための功徳を積み重ねられることをおすすめいたします。

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